二極化
2020.10.07
ラントレの好き嫌いについて
これは足が速い遅いの問題ではない。足が遅いから嫌いということではなく、走ることが苦手な子・嫌いな子は長い距離を走ることが「辛い、疲れる、ダルい」としか考えられず常にヤメたい止まりたいと考えてしまい、結果成長の実感を何も掴むことができない。一方走ることが得意な子・好きな子でも負荷をかければ当然「辛い、疲れる、ダルい」となるわけであるがそれが試合の中で力になってきていることを感じると、以降は辛い練習を戦うための力に変えていく。
つまるとことろ両者の違いは走ることに対する「得手不得手・好き嫌い」ではなく「根性」の問題である。そしてこの根性は反復練習でしか養うことができず、言い換えれば
「根性を養うことはできる」
ここではわかりやすく「根性」と表記をしたが「乗り越える力」をつけるにはラントレは効果が高い。
もちろん病気等の問題がある子はご父兄と相談をしながらすすめるが、原則問題なく学校に通うことができている生徒はラントレから厳しくみる。
ラントレが嫌いな子の中には、「ラントレが嫌だから・・・」と発信をすることが格好悪いということは分かっているため、あの手この手でラントレから逃げる策を考える子もいる。これが怪我や風邪ならまだしも指導員が怖い、はたまた会長が怖いなどとなんとか親を引き込もうとする子もいる。過去にはそんな子供の申し出を真に受けなんの疑いもなくクレームをつけてきたご父兄が数名いたが、そんな時は子供を交え三者面談をすればなんてことはなく、子供は嘘がバレ黙り下を向き、そして事情も聞かずにまくしたててしまったご父兄は顔を真っ赤にして子供に対して「お前言ってることがちがうじゃねーか」と私の目の前で子供を張り倒すご父兄もいた。しかしながら私としては「そもそもお父さん、もう少しお宅のお坊ちゃんを疑ったら、もう少し様子伺いということでこちらに話を聞きにきてみたら」と思う。ほとんどのご父兄は子供の弱音は意に介さずお子さんをジムに連れて来てくれる。そしてジムにさえこればあとは先輩達が引っ張ってくれる。当ジムはそんなジムであり、会長である私は見回りの中で生徒の声が小さければ注意をし、挨拶が雑であればやり直しをさせ、タルんでいれば一喝をする、そんな「怖い人」と思われていればそれで良い。
とあるジムの会長から聞いたお話
その子は肥満児、夏休みに生活のリズムを崩す、昼まで寝る、ゲームをやる、菓子をくらう、太る、昼寝をする、夜寝れず、朝起きれず・・・負の連鎖を引き起こし結果ラントレがキツくなる、ジムをサボりがちになる、ジムで注意をされる、そして最後にジムが嫌になる、ということで、以下はそんな我が子を見かねた母親がジムに退会の手続きをしにきたとあるジムの会長さんのお話です。
母親がジムにくると退会の理由を言いました。「会長が怖いと言っているのでやめさせます」その報告を担当指導員からうけた会長は当然「???」練習に居合わせたことはあるが、その子を直接指導したことがほとんどないため現場の指導員や他の生徒(キッズ)に聞くと「間違いなくラントレが原因です。」とのこと。退会の手続きのため親子で来るとのことなので、直接話を聞こうとなるも、今度は母親の都合に合わせて約束した所定の日時にその親子はジムにこず、会長が母親に電話をすると母親は「残業で・・・」
「お前は子供か??」
電話くらいできるだろ。しかも自宅にいる。実は母親も会員であり母親の残業でジムに遅刻など一度もしたことがない。仮に残業であっても「お母さん、電話くらいしなさい」ということ。そしてこの電話で一連の「絵」が見えてきた。会長が母親から電話をその子に変わらせ、それまでの母親の言動を踏まえてその子と話をするも話が全く噛み合わない。よくよくそのから話を聞くとそもそも「今日母親とジムに退会についての話をしに行くということを知らない、聞いていない」そして「会長が怖くて退会??」と聞くとその子は「???」となり、結果「ラントレが嫌で辞めたいなーとは思っていました」と本音を聞けた。
そして電話を母親に戻させると、またまたその母親と話が噛み合わない。実はその時、母親の母親(祖母)が母親と似た声で電話で話をしていたのである。またしても会長は「???」となるわけだが、祖母曰く「娘(母親)のことが心配で・・・」
「一生やってろ」
母親は母親の母親(祖母)に対しても息子がラントレが嫌で逃げているということを言えず、結果契約者である母親がそんなんであったためその子を励ますこともせず、むしろ退会してもらうことになったが実はもう一山あり・・・
後日、その親子は退会の挨拶のために改めてジムには来たものの、その際にそのはしっかりと母親に洗脳をされており改めて「会長が怖いから・・・」と言い出したそうだ。しかし現場にいた他の生徒(キッズ)に「お前会長に教わったことないじゃん」と一蹴をされ結果「ラントレが嫌で辞めたいと思ったのは本当です・・・会長が怖いから退会したくなったと言えとお母さんに言われた」と言ったそうである。当然その場にいた母親は赤面し顔は丸つぶれ、だがそんな母親の顔は潰してやればいい。
弱音がでることは誰にでもあるが、今回現場にてその子と指導員や他の生徒(キッズ)が話をできていれば間違いなくその子はやり直すことができたと断言ができる。ところが、当の子供は自身の知らないところで母親が事実と全く異なる理由で退会の申し出をしており自身が退会となることは露知らず・・・また母親が祖母にまで嘘を言っていたことを目の当たりにしどう感じただろうか。
どうも感じないか・・・
夏休みにデブった息子のラントレをしている姿が可愛そうで辛そうで・・・と母親がそう思うのは勝手だが退会の理由まで作り込んでくる・・・なんとも愛情深い母親であった。
その子の近い将来が非常に楽しみである。
こんなことが当ジムで起こらなければよいが・・・
というお話でした。