手紙
2020.12.01
運営についてのクレームか・・・判定に不満か・・・とネガティブな気持ちで封を開けた。するとそんな私の邪推とは裏腹に手紙の内容はチャレンジカップ開催に対する感謝の気持ち、そしてキックボクシングに対する感謝の気持ちが綴られていた。
とても丁寧な文章であったが、後半のキックボクシングに対する感謝の気持ちがとても印象的であったため抜粋をさせて頂く。
「格闘技というものは、互いに殴り合い、傷つけ合うように見えながら、戦うことで仲間もできる。こんな不思議で幸せな矛盾をはらんだ競技は他にない。また試合は、別に何の恨みもない相手といきなり殴る・蹴るをはじめるものです。でも、生きていると出くわす不幸や災難は、これとよく似た顔をして何食わぬ風体でやってくる。そういったものに、怯えるだけでなく、向き合い、乗り越えようとする勇気を、私は格闘技からたくさんもらっている。そんなことを練習や試合に臨むたびに思います。」
随分前になるがとある指導員の方から
「父親が重い病気を患った。これまでの自分であったら動揺し狼狽えていたと思う。だけど平常心でいられる。これはジムに入りキックボクシングに関わり、練習をし試合をし・・・知らず知らずのうちに困難なことに対する耐性が上がっていることを実感している」
と聞かされたことがあるが、前談の手紙を拝読させて頂いた際にこのことを直ぐに思い出した。
格闘技の試合はアマプロ関係なく常に恐怖心がついて回る。他の競技と大きく異なる点はこの「死ぬかもしれない恐怖心」と向き合い練習をしそして試合に臨むところである。長くやっているといつのころからか恐怖心を集中力に変えられるようになってはくるものの、それでも多くの選手は常に心のどこかに恐怖心を抱き練習や試合と向き合っているはずである。
そんな思いをしてまで何故試合をするの??
この答えは色々とあるが、今回頂いた手紙の中にも一つ答えを頂けた。
今回は主催者として出場してくれた皆さんとは一味違う「恐怖心」を抱き大会に臨んだが、終了後にありがたいプレゼントを頂いた。