「では長谷部様、ここにお名前をご記入ください」
このセリフを言われると恐怖で全身の血の気が引いてしまう
幾多のコンプレックスを抱いているオジさん
その中で一、二位を争う欠陥・・・字が稚拙という事
意識していないと小学校低学年レベルの字を平気で書いてしまう
なかなかの集中力で書き上げた字でさえ知人から
「さみしい字だね～」と笑われる始末
例えるなら、葉っぱがクタクタになり商品価値が下がってしまったほうれん草の様だ（どんな例えだ！）
50手前のオジさんが幼い字を書く事をチャームポイントと捉えカワイイと思ってくれる女の子など皆無だろう

丁寧に書かなければと思えば思うほど２文字目あたりから疲れ
３文字目でイライラしだし見る見る乱雑になり・・・結果・・・クタクタほうれん草の出荷となる
結婚式などの畏まった席での署名などヒドイもので
受付の人達に見つめられている重圧と緊張の中での出荷は
クタクタさ加減に拍車がかかり商品価値が低いどころではない・・・返品レベルだ
見た目は悪いが味は良い・・・ならいいが・・・エグ味も凄い

字は体を表す、書は人なり・・・ぐうの音も出ない・・・

手間暇かけて土壌作りをした肥えた土には良い作物が育つが
怠け者の痩せた土にはB品の作物しか育たない
よくよく考えれば高校の時ペン字検定３級を取っていたという衝撃的な事実
若い頃学んだ事がなんの肥やしにもなっていない
よって、私はこの先もクタクタほうれん草を出荷し続けることだろう・・・

もはや何の話をしているのか自分でもよく分からなくなってきたが
何事も・・・成らぬうちが楽しみ・・・などと自分を誤魔化しながら生きていこうと思う。