大変な事になっている・・・
忙しさにかまけて床屋に行かず約５ヶ月
野放し状態の髪の毛がとにかく大変な事になっている
長谷部家は先祖代々くせ毛である
昔から「パーマもかけずにカールがかかるなんて羨ましい」
まわりからよく言われたが
当人にとってはなかなかのコンプレックスだった。
当然、娘達にも遺伝して今では数カ月に一度
時間とお金をかけ美容室で縮毛矯正なるものを行い
サラサラヘアを装っている。

とにかくやっかいなのだ
朝、寝癖がついてしまったら最後
しっかりと髪を洗わないかぎり治す方法はないが
そんな時間の余裕があるはずもなく
その日一日羞恥心という感覚は私の中には存在しない
特に雨降りなど湿気の多い日はひどいもので髪全体がウエーブし始め
オランダの有名な画家の描く波打つ星空の様な状態になってしまう
まさに芸術的・・・ならいいのだが
カールした前髪は事あるごとに目に突き刺さり
襟足は耳の穴を刺激する・・・とにかくやっかいなのだ

分かっている・・・床屋に行けば済むだけの話
それはよく分かっているのだが
急に首周りの風通しが良くなることで
風邪をひくてしまうのではないかという恐怖心が
床屋への足取りを重くさせる

しかし・・・そろそろ限界、制御不能のレベルに達しようとしている今
決断を下さなければならない
夏に向け思い切って丸刈りにするのもいいかもしれない
髪型を気にする必要もないし寝癖に悩む事もなくなる
まて・・・少なからず営業の仕事をしているのだから
いきなり丸刈りはマズイか・・・
では娘にならって縮毛矯正なるものをしてみるのは・・・
娘に聞いてみる
「お父さん・・・縮毛矯正をして」
「バカなこと言ってないで床屋いきな！」
「・・・はい・・・」
娘よ・・・言葉のキャッチボールというものを知らないのか？
次の休みに髪を切りに行くとしよう
星月夜の髪型ともお別れだ
休みの日の天気予報を見てみる
晴れ・・・最低気温・・・５度・・・
「もうちょっと待つか・・・」

葛藤はつづく・・・