キックボクシングジム『テンクローバージム』は浜松市を中心に静岡県内4店舗と東京都世田谷区に1店舗を構えております。

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2019.05.13

「お客様!お客様!」
新幹線のプラットホームに響き渡る声
その方向に目をやると停車中の新幹線のドアを
強引にこじ開けようとしている大柄な外国人男性に
キヨスクの店員が必死に呼びかけている
慌てて店に戻りビニール袋を受け取りふたたびもどるが
開きかけていたドアは完全に閉まり無情にも新幹線は動き出した
何かを叫びながら両手をひろげ呆然と立ち尽くす
握られたビニール袋の中にはキヨスクで購入した缶ビールとつまみ
買い物をするにはあまりにも短い停車時間
その危険を冒してでも車内で一杯やりたかったのだろう
小心者の私にはとても出来ないことだが気持ちは良くわかる
事の顛末を見届けることは出来なかったが
良くも悪くもこの旅と失意の中で飲んだビールの味は
忘れられないものになったであろうと想像する
出張先での移動中に見た少し切ない光景であった。
「バカだな、そうまでして飲みたかったのかね・・・」
そう揶揄する者もいた中で私は少し羨ましかった
彼はこの経験を笑い話として家族や友人達を楽しませる
アイテムを一つ手に入れたのだから。

よくお酒を飲む、ほぼ毎日飲む、というか飲まなきゃやってられない
ただし、まとめ買いはしないその日に飲む分を毎日買う
非経済的なのは十分承知の上だが
あればあるだけ飲もうとしてしまう弱い心の持ち主と
自負している自分への抑制措置である。
しかし貰い物のビールなどが家にあったりすると
このルーティンが崩れしばしばトラブルが起こる
冷蔵庫にあると思っていたチューハイの在庫が無いことに気づき
愕然とする初老、ビール後のチューハイという
一連の流れを踏まないと実に気持ちが悪い
その時、仕事終わりの娘から嫁さんへ絶妙のタイミングで
ラインが入る
「今、文房具屋にいるけど欲しいものある?」
すかさず「レモンチューハイ」
「はぁ?・・・文房具屋だって言ってるだろ!」
「いいから!・・・送って」
「・・・このアル中め・・・」
罵りながらもラインしてくれる愛しき嫁さん
「・・・文房具屋にチューハイはない・・・」
娘からの引き気味の返信にもたじろぐことはない
「・・・探して・・・」
当然の既読スルー
帰宅し冷蔵庫を開けた娘が叫ぶ
「ビールあるじゃん!」
違う、違うのだ娘よ・・・
頼んだのはチューハイまったくの別物
食事後の歯磨き、風呂上がりのドライヤー、
就寝前の彼氏への電話と同じくビールからのチューハイ
これがないとお父さんの一日は終わらないのだ
懇々と説きさとした後、娘が一言
「ちょっと何言ってるか分からない・・・」

飲むたびに家族を楽しませるアイテムを手に入れる事が出来たのならば
どんなにいいだろう
只今、残念なお父さん街道驀進中だ。  長谷部
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