TRAINER’s
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2020.02.17
狭い部屋が好きだ
体を反転させるだけですべての物を手にすることが出来るほど
狭い部屋が好きだ
テレビで紹介される様な豪華で広くて天井の高いオシャレな部屋は
落ち着かないし気が滅入るばかりだ
もし、そんなところへ放り込まれたら
そこに自分なりの小部屋をダンボールなどで作りこもる事になるだろう。
好きな本やマンガを持ち込み横になりながらなるべく重力に逆らわないように
生活する・・・夢のようだ・・・
秘密基地、この言葉を聞くと今でも心が躍る
子供の頃近くにある測候所内のちょっとしたスペースの中に
秘密基地を作り友達と二人よく集まった
何をするわけでもないお菓子を食べながらダラダラと過ごす
しかし、有事に備え当時唯一の飛び道具、銀玉鉄砲を装備して
時折軍事訓練を繰り返し不意な敵襲にも対策を練るのだ。
秘密基地はバス倉庫の屋根の上にも存在し
そこから町を見下ろし
「この町を俺たちが守らなければ・・・」
などと・・まあ・・当時は至って真剣にそう思っていた。
とにかく大人の目が届かない所で自分達だけの世界観に浸る
それがただただ心地良かった。
家の中でも押入れなど狭いところがあると
自分の小部屋を作りたい衝動に駆られた
これは同じ部屋にいる兄という名の怪獣から避難する為の
いわばシェルターが欲しかったという理由もある
そんな中、物置小屋の小さな隙間に丁度いい空間を見つけ
さっそく秘密基地を作りお菓子とマンガを持ち込む
もちろん銀玉鉄砲も忘れない・・・備えは万全だ
これで怪獣の脅威から一時的でも逃れられる・・・
ほっとしたのも束の間、物置小屋の扉が開き
私と目が合った祖母が腰を抜かしそうになる
「あんたこんな所で何やってるの!ねずみが出るよ!」
「え・・・そうなの・・・」
すぐに秘密基地は放棄、わずか数分間の出来事であった。
物置小屋のねずみ・・・同じ部屋の怪獣・・・
どちらも危険だがそれでもあの怪獣は闇雲に噛み付いてはこない
苦渋の選択だ・・・。
この様な経験を経て
幼児性が抜けきらないまま成長すると
狭い所が好きで重力に逆らわずに生活したい・・・
などと戯言を言う残念なオジさんに仕上がってしまうのである。
ある風水の本では
「部屋の隅には神様がいる」そうだが
我が家では
「隅には幸薄いオジさんがいつもいる・・・」のだ
若いお父さん、お母さん・・・気おつけて・・・
おあとがよろしいようで・・・。 長谷部