冒険活劇
2021.04.13
生あるものは必ず滅し、形あるものは必ず壊れる
「諸行無常」この世の理・・・
歯医者は苦手だ、その苦手な場所へ今向かっている
少なくともこの5年間訪れたことはない
なぜなら怖いから。
悪くした時の苦しみは十分に知っている
だからそうならぬ様努力を惜しまなかった
教えられた歯ブラシの使い方を忠実に守り
歯間ブラシも欠かさない
ズボラな人間がここまで周到なのは
あの拷問器具が並ぶ椅子に座りたくない一心だったからだ。
(関係者の皆様、不適切な表現ごめんなさい)
しかし分かっていた老化を止める事が出来ない以上Xデーは来る
そしてそれは突然、日常をいとも簡単に壊してしまう
しかも念入りに歯を磨いている最中歯が欠けるという皮肉
・・・やりきれない・・・
気持ちの整理がつかないまま苦手な場所へ到着してしまう
以前、嫁さんが通っていた所、印象を聞くと
「小さくて狭い」
・・本当だ思っていた以上に小さくて狭い・・
ラーメン屋ならばこういった所が穴場だったりするのだが
果たしてその方程式がここでも当てはまるのだろうか?
感染予防の為本来予約が必要なのにもかかわらず
「せっかく来てくれたから」と特別に診てもらえた
なかなか高齢の先生で見た目からして人の良さが滲み出ている
やさしそうな先生で少しホッとしたけれど診療台に座っていると
やはり落ち着かない
子供の頃から歯医者は特に苦手だった
両側に人がいる圧迫感、いつ痛みが襲ってくるか分からない恐怖
「痛かったら手を挙げて」と言われ手を挙げると
「もう少しだから我慢して」と言われる一連の流れ
歯磨きを怠った自分に全責任があるのだけれども・・・
欠けた部分の処置はほどなく終わったが
以前治療した歯の数箇所に老化や劣化による傷みが見つかる
覚悟はしていたがやはりショックは隠しきれない
レントゲン写真で説明を受けながら徐々に意識が遠のいていく
説明を終えた先生に代わり女性の方が歯の洗浄をしてくれる事になった
目元にタオルをかけられいざ始まると
けっこうな水圧でこれがなかなか痛い
洗浄と聞いて完全に油断していた所にこの痛み
いかん、泣いてしまいそうだ
その時、頭に何か当たっていることに気付く
なにかこう・・・やわらかいものが・・・
これは・・あれか・・あれなのか?・・・
きっとそうだ・・あれに違いない!
洗浄に専念しているせいか
はたまた必要以上に怯えるオジさんへの配慮なのか?
真意は分からない
小さくて狭いだの高齢の先生だの色々言ったことを
全て撤回させて頂きます
なんて素晴らしい歯科医院なんだ!
この危機を乗り切るにはこれしかない
全神経を頭に集中してこの恐怖と痛みを誤魔化してしまえ
できるさ、なぜなら今、頭には大好きなあれが当たっているのだから・・・。
神経をすり減らした約40分
満身創痍だがこれはまだ序章にすぎないのだ
大団円を迎えられる日は遥か遠い・・・。
・・・おことわり・・・
これは不安に駆られたオジさんの虚妄ですので
小動物を見るような温かい目でご覧いただけますと幸いです。
長谷部
「諸行無常」この世の理・・・
歯医者は苦手だ、その苦手な場所へ今向かっている
少なくともこの5年間訪れたことはない
なぜなら怖いから。
悪くした時の苦しみは十分に知っている
だからそうならぬ様努力を惜しまなかった
教えられた歯ブラシの使い方を忠実に守り
歯間ブラシも欠かさない
ズボラな人間がここまで周到なのは
あの拷問器具が並ぶ椅子に座りたくない一心だったからだ。
(関係者の皆様、不適切な表現ごめんなさい)
しかし分かっていた老化を止める事が出来ない以上Xデーは来る
そしてそれは突然、日常をいとも簡単に壊してしまう
しかも念入りに歯を磨いている最中歯が欠けるという皮肉
・・・やりきれない・・・
気持ちの整理がつかないまま苦手な場所へ到着してしまう
以前、嫁さんが通っていた所、印象を聞くと
「小さくて狭い」
・・本当だ思っていた以上に小さくて狭い・・
ラーメン屋ならばこういった所が穴場だったりするのだが
果たしてその方程式がここでも当てはまるのだろうか?
感染予防の為本来予約が必要なのにもかかわらず
「せっかく来てくれたから」と特別に診てもらえた
なかなか高齢の先生で見た目からして人の良さが滲み出ている
やさしそうな先生で少しホッとしたけれど診療台に座っていると
やはり落ち着かない
子供の頃から歯医者は特に苦手だった
両側に人がいる圧迫感、いつ痛みが襲ってくるか分からない恐怖
「痛かったら手を挙げて」と言われ手を挙げると
「もう少しだから我慢して」と言われる一連の流れ
歯磨きを怠った自分に全責任があるのだけれども・・・
欠けた部分の処置はほどなく終わったが
以前治療した歯の数箇所に老化や劣化による傷みが見つかる
覚悟はしていたがやはりショックは隠しきれない
レントゲン写真で説明を受けながら徐々に意識が遠のいていく
説明を終えた先生に代わり女性の方が歯の洗浄をしてくれる事になった
目元にタオルをかけられいざ始まると
けっこうな水圧でこれがなかなか痛い
洗浄と聞いて完全に油断していた所にこの痛み
いかん、泣いてしまいそうだ
その時、頭に何か当たっていることに気付く
なにかこう・・・やわらかいものが・・・
これは・・あれか・・あれなのか?・・・
きっとそうだ・・あれに違いない!
洗浄に専念しているせいか
はたまた必要以上に怯えるオジさんへの配慮なのか?
真意は分からない
小さくて狭いだの高齢の先生だの色々言ったことを
全て撤回させて頂きます
なんて素晴らしい歯科医院なんだ!
この危機を乗り切るにはこれしかない
全神経を頭に集中してこの恐怖と痛みを誤魔化してしまえ
できるさ、なぜなら今、頭には大好きなあれが当たっているのだから・・・。
神経をすり減らした約40分
満身創痍だがこれはまだ序章にすぎないのだ
大団円を迎えられる日は遥か遠い・・・。
・・・おことわり・・・
これは不安に駆られたオジさんの虚妄ですので
小動物を見るような温かい目でご覧いただけますと幸いです。
長谷部