さきいか
2021.08.31
三大欲求・・・
一般的に生存にかかる根源的な欲求とされる
食欲、睡眠欲、性欲を総称した言い方・・・
個人的に好きなラーメン屋さんがある
店は小さくカウンターとテーブル席が二つ
駐車場も三台ほどしかない
美味しいのは言うまでもないが何より店がすいているのがいい
静かに落ち着いて食事が出来る。
まあ・・お店にとってそれでは困るのでしょうけれど
人気店になり賑やかになってしまうと行きづらくなってしまうので
複雑な気持ちです。
(私の行く時間帯がたまたまそうなのかもしれません)
そんなある日、店に入るやいなや目に飛び込んできた光景にギョッとする。
学生達に埋め尽くされた店内はほぼ満席状態
完全に油断していた
よく見れば店横に置かれている自転車の数で予測できたはずなのに。
後ずさりした瞬間
「いらっしゃいませ!どうぞ!」
若い大将の掛け声
「いかん・・・もう帰れない」
普段は座らない奥のテーブル席に通されて心なしか小さくなって座る。
彼らは部活終わりなのだろうか日焼けした肌は実に健康的だ
若さという目に見えぬ波動で、この場に居ることが
場違いとさえ思えてしまう。
ところが、予想外に店内は静寂に包まれる
血気盛んな若者達が居る店内とはとても思えないほど静かだ。
ほとんどが携帯を覗き込み、ある者は思春期特有の悩みでもあるのか
一点を見つめて微動だにしない。
このご時世だ、さまざまな配慮が出来る優秀な若者達なのかもしれないが
こんなにも喋らないものか・・・少し拍子抜けしてしまった。
そんな中、テーブル席の一人が口を開く
「○○ と ○○ カワイイと思わない?」
「まあ・・でも俺は ○○ がいいかな」
「マジで・・・」
きた、きた、きた!!
これこそ健全な若者の会話
(偏見に満ちたオジさんの考え)
もっとだ!そういう話をオジさんは欲している!
「明日カノジョとどこか行くの?」
「そうだな一緒に海に行こうぜ!お前のカノジョも連れてこいよ」
おい、おい、おい!!
なんて奴だ、しっかりとカノジョがいるにもかかわらず
別の女の子にも興味津々・・・やるじゃないか!
無関係のオジさんが一人心の中で盛り上がっている横で
カウンター席の若者達は相変わらず沈黙を保つ
こいつらは一体どうしたんだ?なぜこの話に食いついてこない?
十代といえば、この話だろう!
十代といえば暇さえあれば、このことを考えるはずだ!
(続、偏見に満ちたオジさんの考え)
高校を卒業して働き始め職場にも少し慣れた頃
仕事終わり、一つ先輩の女性に食事に誘われ
彼女の車に乗って出掛けたことがあります。
小さな頃から乗り物酔いが激しく車は大の苦手のはずが
この日のドライブはとても快適なものでした
不思議なのもです。
食事中に彼氏への不満を懇々と話す彼女でしたが
そんな話一ミリも頭に入ってきません。
この後どうなるんだ?重要なのはそれだけなのですから。
そして期待に胸膨らませながら店を出て車が向かった先は会社
「おつかれ!」
「・・・ええ~っ!なにもない・・・」
晴れやかな笑顔で彼女は帰って行きました
もう一度言っておこう
「・・・ええ~っ!なにもない・・・」
その足でビデオレンタルへ駆け込んだのは言うまでもありません。
勝手に勘違いをした間抜けな男の末路ですが
それ以来、乗り物酔いがなくなったのには驚きました。
何か劇的な変化が体の中でおこったということでしょうか?
現在まともな欲求は睡眠欲くらいの乾き物の様になってしまいましたが
学生達の会話に触れて少し刺激をもらえた気がします。
これから様々な経験をして成長していくことでしょう
くれぐれも、こんな屈折した大人にならぬ様に願いを込めながら
店を後にします。
長谷部
一般的に生存にかかる根源的な欲求とされる
食欲、睡眠欲、性欲を総称した言い方・・・
個人的に好きなラーメン屋さんがある
店は小さくカウンターとテーブル席が二つ
駐車場も三台ほどしかない
美味しいのは言うまでもないが何より店がすいているのがいい
静かに落ち着いて食事が出来る。
まあ・・お店にとってそれでは困るのでしょうけれど
人気店になり賑やかになってしまうと行きづらくなってしまうので
複雑な気持ちです。
(私の行く時間帯がたまたまそうなのかもしれません)
そんなある日、店に入るやいなや目に飛び込んできた光景にギョッとする。
学生達に埋め尽くされた店内はほぼ満席状態
完全に油断していた
よく見れば店横に置かれている自転車の数で予測できたはずなのに。
後ずさりした瞬間
「いらっしゃいませ!どうぞ!」
若い大将の掛け声
「いかん・・・もう帰れない」
普段は座らない奥のテーブル席に通されて心なしか小さくなって座る。
彼らは部活終わりなのだろうか日焼けした肌は実に健康的だ
若さという目に見えぬ波動で、この場に居ることが
場違いとさえ思えてしまう。
ところが、予想外に店内は静寂に包まれる
血気盛んな若者達が居る店内とはとても思えないほど静かだ。
ほとんどが携帯を覗き込み、ある者は思春期特有の悩みでもあるのか
一点を見つめて微動だにしない。
このご時世だ、さまざまな配慮が出来る優秀な若者達なのかもしれないが
こんなにも喋らないものか・・・少し拍子抜けしてしまった。
そんな中、テーブル席の一人が口を開く
「○○ と ○○ カワイイと思わない?」
「まあ・・でも俺は ○○ がいいかな」
「マジで・・・」
きた、きた、きた!!
これこそ健全な若者の会話
(偏見に満ちたオジさんの考え)
もっとだ!そういう話をオジさんは欲している!
「明日カノジョとどこか行くの?」
「そうだな一緒に海に行こうぜ!お前のカノジョも連れてこいよ」
おい、おい、おい!!
なんて奴だ、しっかりとカノジョがいるにもかかわらず
別の女の子にも興味津々・・・やるじゃないか!
無関係のオジさんが一人心の中で盛り上がっている横で
カウンター席の若者達は相変わらず沈黙を保つ
こいつらは一体どうしたんだ?なぜこの話に食いついてこない?
十代といえば、この話だろう!
十代といえば暇さえあれば、このことを考えるはずだ!
(続、偏見に満ちたオジさんの考え)
高校を卒業して働き始め職場にも少し慣れた頃
仕事終わり、一つ先輩の女性に食事に誘われ
彼女の車に乗って出掛けたことがあります。
小さな頃から乗り物酔いが激しく車は大の苦手のはずが
この日のドライブはとても快適なものでした
不思議なのもです。
食事中に彼氏への不満を懇々と話す彼女でしたが
そんな話一ミリも頭に入ってきません。
この後どうなるんだ?重要なのはそれだけなのですから。
そして期待に胸膨らませながら店を出て車が向かった先は会社
「おつかれ!」
「・・・ええ~っ!なにもない・・・」
晴れやかな笑顔で彼女は帰って行きました
もう一度言っておこう
「・・・ええ~っ!なにもない・・・」
その足でビデオレンタルへ駆け込んだのは言うまでもありません。
勝手に勘違いをした間抜けな男の末路ですが
それ以来、乗り物酔いがなくなったのには驚きました。
何か劇的な変化が体の中でおこったということでしょうか?
現在まともな欲求は睡眠欲くらいの乾き物の様になってしまいましたが
学生達の会話に触れて少し刺激をもらえた気がします。
これから様々な経験をして成長していくことでしょう
くれぐれも、こんな屈折した大人にならぬ様に願いを込めながら
店を後にします。
長谷部