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Holy Grail Ⅴ

2022.02.21

 





引き続きカレー好きの入野の長谷川ではありますが…
迷惑メールのことを英語でスパムメール(Spam Mail)と呼ぶことご存じの方もいらっしゃると思います。メールソフトによっては、最初からスパムというフォルダができているものもあります。
この呼び名ですが、もともと迷惑や詐欺というような意味のSpamという単語が存在した訳ではなく、1970年代初めに英国のドリフ的なグループ、モンティ・パイソンのこれまた「全員集合」的なテレビ番組「空飛ぶサーカス」の中の寸劇からきているとされています。但しこちらが本家本元で、ドリフはその完全コピーと思われます。また「空飛ぶサーカス」は当時東京12チャンネル(現在のテレビ東京)の深夜枠で吹き替え版が放送されていたようです。
そもそもSPAMというのは商品名で、日本でも沖縄料理に使われていたり、輸入食品スーパーでよく見かける米国産のハムソーセージの缶詰です。スパムは保存が効くことから、第二次世界大戦中に食糧難の英国に対し、同盟国の米国から支援物資として大量に供給されたので、当時を知る英国人の多くはスパムと聞くと「えーっ、またあのクソまずい保存食かよー」という反応を示したそうです。国民食がフィッシュ&チップスという、日本では安さ最優先の病院食くらいでしか見かけることのないメルルーサという深海魚のフライとフライドポテトの組み合わせという英国人にこう言われるとは、スパムもちょっと気の毒です。どちらも別にまずい訳ではないのですが。また、スパムが沖縄調理で使われるようになったのは、在日米軍の影響と思われます。
寸劇の内容ですが、なぜか英国に侵攻して来たのは1000年以上前の8世紀頃の筈のバイキング(海賊)で貸し切り状態のパブ(居酒屋兼食堂)に初老のカップルが入って来て、というよりドリフのように上からワイヤーで吊られて降りてきて、カウンターの女店主に朝食のメニューは何があるのか尋ねます。ちなみにこの女店主も老婦人も、どう見ても加藤茶とそっくりのカツラをつけた男性メンバーです。すると女店主は”ソーセージと炒り玉子とスパムの盛り合わせ”、”ソーセージと玉子とスパム大盛り”、”ソーセージと玉子とスパム特盛”…と延々と続けるのですが、全ての料理にスパムが入っています。これを聞いた老婦人は「スパムは好きじゃないから、スパムの入っていない料理はないの?」と尋ねるのですが、女主人はそんなものはないと言い、老婦人が「だったら”ソーセージと玉子とスパム"のスパム抜きを頂戴」と言うのですが、女主人はそれはできないと言い張ります。すると老婦人は遂に「私はスパムが嫌いなの!」とブチキレるのですが、すると周囲のバイキング達はなぜか「スパム、スパム、スパム、スパム、スパム、美しいスパム、かわいいスパム♪」と歌いはじめ、店内はスパムの大合唱になり、もうスパムを頼むしかない状況になってしまいます。
しかしながら、これが当時の英国人に大ウケだったのはそこではなくて、発音の近い別の単語を思い浮かべてこれを見ると、大人向けのジョークとして成立していたからでした。実際にオリジナルには、辞書を手にした外国人らしき別の客が入って来て、訛りのひどい英語でスパムを注文しようとするものの、発音が微妙で別の意味になってしまい、警官に連行されてしまうというシーンがあるのですが、ユーチューブ等で検索してもこの部分は出てこないので、内容が危険すぎて吹き替えができず、カットされたものと想像します。
こんな番組が英国公共放送BBC(日本のNHKに相当)で放映されていたことに時代のおおらかさを感じるとともに、七つの海を支配した大英帝国からの凋落を経験した英国人の屈折した笑いのセンスを感じます。 但し、50年前の番組ですので、一部表現は現在の基準するからすると差別的と捉えられる部分を含みます。
montypythonandtheholygrail
 






 




























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