人を呪わば穴二つ
2023.05.02
人に寄り添うことは出来ても理解するのは難しい・・・
人付き合いが苦手という人は
世の中にどれくらいいるものなのでしょうか?
日常生活や仕事の上でも人付き合いが
とても大切なことなのは言うまでもありません。
しかし人見知りのはげしい人間にとってなかなかの重圧
それゆえに、ふとした瞬間
・・・なんだかしんどいな・・・と
体の細胞ひとつひとつの機能が低下していくような
感覚に陥るのです。
学力が壊滅的だった私が通っていた高校には
いわゆる「不良」という方達がたくさんおられました
毎日どこかのクラスで勃発するケンカに怯えながら
被害を受けぬようにおとなしく過ごしていましたが
学年が変わり新しいクラスになったとき
隣の席に座っていたのは
ガタイがよく剃り込みが入り眼光鋭いすぐそれと分かる人でした。
・・・終わった・・・
ここからの一年間どれほどの地獄を見る事になるのか
最後まで高校生活を全うする事さえ困難なのではないか?
意気消沈し力なく席に着くと
それに気がついた隣の彼はこちらを見るなり
「あ、はじめましてよろしく!」
なんと爽やかな笑顔で挨拶してくれたのです
見た目は引くほど怖いのになんとも気さくな人で
昼には一緒に弁当を食べ学校帰りに彼の家へ寄ったりもしました
第一印象で勝手に怖い嫌な奴と決め付けていた自分が
とても恥ずかしく反省しかありません。
ただ、彼がやんちゃな人達の中でどういう立ち位置なのかは
まったく分かりませんでしたが、ある時
「こんど、どうしてもケンカをしなくちゃいけなくなったけど
俺はやりたくない・・どうしよう・・」
苦悩に満ちた表情をしていたのを覚えています。
そしてお互い別々のクラスになった後
彼はいつの間にか学校を辞めていました
共通の友人から聞いた話しでは学校を辞めた後
警察のお世話になるような問題を起こして
今は保護観察ということでした。
お互いにテストで赤点をとって補習授業を受けているにもかかわらず
無駄話ばかりして再テストが何度やっても合格せず
「お前ら、もう答え教えてやるから・・・」
と先生の心を折ってしまったり
弁当のおかずを交換して
「これ最高にうまいよ!」そう笑っていた彼と
学校を辞めてからの行動がとても同一人物とは思えません。
その時の心のモヤモヤは、後に社会人となり
それまで極力逃げるようにしていた人間関係が避けられなくなって
さまざまな人と接することで自分なりの解釈を持つようになる
寄り添うことは出来ても理解するのは難しい・・・
相手の気持ちが分かる、自分の気持ちが分かってもらえる
などと、思い上がることのないように
むやみに人を恨むことのないように・・・
社交性が欠落した人間の偏った考え方だと言われればその通りなのですが
30年経って未だに嫁さんの考えていることが分からないのですから
あながち間違いではないのかもしれません。
長谷部