自由研究
2024.01.02
車を止めている場所の横に申し訳程度の花壇があり
それをよく眺めています。
でも植木や花に興味はありません
そこに巣を作っているアリたちの働きぶりを見るのが
なんだかとても好きなのです。
子供の頃から一番身近な生き物として
夏の自由研究でもよく題材にしていました。
夏休みが終わりに近づき駆け込みで自由研究を
仕上げなければならない時に適当に巣の絵を描いておけば
それっぽく見えたというのが本当のところですが・・
庭先で巣を見つけると近くに角砂糖を置いて
アリたちが一斉に群がりあっという間に巣へ運び入れてしまうのを
時間を忘れて見ていました。
時には水を流し入れてみたり、爆竹で破壊してみたりと・・・
今考えるととても残酷なことを平気でしていたと思います。
もちろん今は良識ある大人を演じているのでそんなことはしません
ただじっと眺めるだけです。
雨が降って崩れてしまった入り口も砂や石を掻き出し
素早く修復してしまう統率性
自分よりもはるかに大きな物を運ぶ力強さなど
観察していると改めて驚かされることばかりです。
少し調べてみると働きアリは長く眠ることはなく
巣の修理やエサ集め卵の世話をしながら
一分程度の休憩を一日に250回ほど取っているそうです。
しかもすべてがメスで構成されている(アリの世界でも女性は強い)
オスは特定の時期に数匹生まれ
交尾をすると死んでしまう(・・・・)
面白いのは働きアリの中に必ず2~3割何もしないアリが存在する
いわゆる働きアリの法則というものです。
これは常に動いているアリたちが不測の事態で
持ち場を離れてしまった時などに
すぐにその穴埋めが出来る様に待機している支援要因
特に卵の世話を怠ってしまえば巣が滅んでしまう
全員が疲弊してしまわない為の仕組み
人間よりもはるかに高度な社会性を持っていると言われています。
まだ分からないことも多いようですが
そもそも人間の物差しで計ろうとする事に無理があるのかもしれないし
理解したつもりになるのはとんでもない思い上がりかもしれません。
アリたちからすれば人間社会はなんと生きづらい場所なのだろうかと
不憫に思われている可能性もあるのです。
そんな事を考えながら
花壇の一点を腰の痛さも忘れて眺めます
犬の散歩をしている奥様や学校帰りの小学生が
不審者を見る目で距離を取りながら通りすぎていっても
まったく気になりません
良識ある大人を演じているのですから・・・
長谷部